男も女も、若い者も年寄りも

ヨシュ6:21「彼らは町にあるものは、男も女も、若い者も年寄りも、また牛、羊、ろばも、すべて剣の刃で聖絶した」
「聖絶」は新改訳独特の訳で、同じ個所の新共同訳と口語訳は「ことごとく剣にかけて滅ぼし尽くした」となっています。これはヘブル語「charam(ハラーム)」が単に「滅ぼす」という意味だけでなく、もっと激しい破壊や攻撃を指しているからです。この「charam(ハラーム)」が聖書に登場したのは出エジプト十戒以降細かな決め事に「ほかの神々にいけにえをささげる者は、聖絶しなければならない(出22:20)」というものがあり、イスラエルの民に対してこの単語が使われています。どちらも容赦のないさばきで、エリコに至っては年齢も性別も関係なくすべてを抹殺せよ…との強い命令がされています。唯一、例外がヨシュアの遣わした斥候(ヨシュ2:1)を助けたラハブとその家族です(22)。ラハブは異邦人ですが、「あなたがたの神、主は、上は天、下は地において神であられるからです(2:11)」とイスラエルの神に対する信仰を見せ、その信仰の通りに斥候たちをかくまい、逃しました(2:18-21)。旧約での聖絶の記述は多くありますが、主が罪に対して容赦なく罰する姿が描かれています。