群れのために牧場があった

1歴4:41「そこで、ユダの王ヒゼキヤの時代に、ここに名のしるされた人々が来て、彼らの天幕と、そこにいたメウニム人を打ち、彼らを聖絶した。今日もそのままである。彼らはこの人々に代わってそこに住みついた。そこには、彼らの群れのために牧場があったからである」
ヒゼキヤの時代は、アッシリアに包囲されたり(2王18:9)、同胞のイスラエル国が滅びるなど(2王17:6)、静かで安らかな広い土地を探しているひまなどはなかったように思えます。しかも、この牧場はハム系の人々の土地だったとあります(40)。ハム系ならばなぜ静かで安らかなのかはわかりませんが、ハムの子孫カナンが主から呪われた存在であることは事実です(創9:25)。ノアの箱舟以降、セム、ハム、ヤペテから全民 族が派生したことになっていますが、カナン(ハム系)から、シドン、ヘテ、エブス、エモリ、ギルガシ、ヒビ人などが生まれており(創10:15-18)、それらの民族の土地はやがて、アブラハムが目指す約束の地になるのです。カナンの子孫は、占領され聖絶の対象となったかもしれませんが、彼らの土地は乳と蜜が流れる肥沃な土地でした(ヨシュ5:6)。呪われたからと言って彼らの住む場所や着るもの、食べるものが汚れているわけではありません。逆にハム族は遊牧に適した、乳と蜜が流れるような土地を探すのが得意だったのです。