人々は彼を捕らえた

2歴22:9「彼がアハズヤを捜したので、人々は彼を捕らえた。彼はサマリヤに身を隠していたのである。こうして、人々は、彼をエフーのもとに引いて来て殺したが、これは心を尽くして主を求めたヨシャパテの子であると言って、彼を葬った。アハズヤの家は王国を治める力を失った 」
ユダ王ヨシャパテの子ヨラムは、父ヨシャパテの道に歩まず王になると自分たちの兄弟を殺してしまいます(21:2)。彼はイスラエル国アハブの娘アタリヤを妻にもらいます(21:6)。この段階でレハブアムとヤロブアムが争ってきたユダとイスラエルに婚姻関係が結ばれるのです(12:15)。アタリヤとイスラエル王アハズヤと同じくイスラエル王ヨラムは3人兄妹の関係です。アタリヤの息子であるアハズヤが叔父にあたるイスラエル王ヨラムを見舞いに尋ねることはごく自然なことです(6)。しかし、タイミングがあまりにも悪すぎました。聖書にはユダ王アハズヤがエフーによる暗殺に巻き込まれることは「神から出たことであった(7)」とあります。アハズヤはたった1年の在位で、訃報を聞いたアタルヤが王子たちを殺し、自らを女王とします(10-12)。アハズヤがイスラエルを懇意にし、同じ血族としてイズレエルまでやってきたのに、サマリヤの人々は彼を暗殺者エフーに差し出し殺してしまいます(9)。それはオムリ、アハブ、アハズヤ、ヨラムと続いたオムリ一族の統治に民が「ノー」を突き付けた瞬間でもありました。特にアハブの嫁イザベルは、シドン人でバアルをイスラエルに持ち込んだ張本人です(1王16:31)。それでもユダ王アハズヤは父ヨラムのように、王の墓からは漏れず、ヨシャパテの孫として大切に葬られました(9)。