私は酒を取り上げ

ネヘ3:1「アルタシャスタ王の第二十年のニサンの月に、王の前に酒が出たとき、私は酒を取り上げ、それを王に差し上げた。これまで、私は王の前でしおれたことはなかった 」
エズラ(エズ7;1)もアルタシャスタ王の時代に活躍しており、二人は同時期にエルサレムにいて、別の方面から助け合う形になっています。ネヘミヤの立場は献酌官という職で、王に近い存在です。食事を給仕したり、お酒を注ぐことは毒味の役も兼ねており、信頼がなければそのポジションに着けません。ネヘミヤはユダヤ人という異邦人でありながら、王から直接言葉を聞けたことが彼の立場を高く引き上げています。何も知らないエルサレムの役人は、エレミヤの行為は王に反逆している、と訴えています(19)。特に役人であったトビヤは、自分の分け前が減ると思って不機嫌になった、とあります(10)。すでに利権が確立されたところに第三者が入ってきて、新事業に着手するのは現代でも難しいことです。第2次世界大戦後にユダヤ人がパレスチナに入ってきて、こ れから自分たちの国を作るといっても、すでに住んでいる人たちの立場や利害を考えるなら簡単には進みません。それと同じことがエズラ、ネヘミヤの時代にも起きたのです。70年という期間に多くの民族がエルサレムに移り住みネブカデネザルのときには元イスラエル国ユダヤ人の植民が始まっていました。何としても神殿の再建を果たしたいエズラ、ネヘミヤは神の導きもあって(8)、強い信仰を持って仕事に当たったのでした。