使徒12章 次にはペテロをも捕らえにかかった

使12:3「それがユダヤ人の気に入ったのを見て、次にはペテロをも捕らえにかかった。それは、種なしパンの祝いの時期であった」
この12章に出てくるヘロデ王は歴史書にはヘロデ・アグリッパ1世という名で登場します。イエス様が誕生したとき(マタ2章)のヘロデ大王の孫にあたります。もともとヘロデ大王エドム人であり、大祭司の娘と結婚したことでユダヤの血筋を持っていると主張し、王になった男です。ヘロデ大王ユダヤ人を喜ばせるために神殿改築を46年に渡って行っています(ヨハ2:20)。大王死後は3人の息子の共同統治になりますが、中でもヘロデ・アンティパスは大きな影響を与えています。バプテスマのヨハネを殺したり(マタ14:1-10)、イエス様に直接尋問したりしたのはアン ティパスです(ルカ23:7-9)。ここに登場するヘロデ王の孫アグリッパ1世もヤコブを殺したらユダヤ人が喜んだことに気づき、次はイエス様の一番弟子ペテロを殺そうとたくらみます(4)。イエス様の時代から何かと宣教の邪魔をするヘロデ一族は4世代に渡ります。この後クリスチャンになったか結果は書かれていませんが、パウロはアグリッパ一世の息子アグリッパ王2世に福音を語るチャンスを得ています(26:24-31)。