詩篇78篇 眠りから目をさまされた

詩78:65「そのとき主は眠りから目をさまされた。ぶどう酒に酔った勇士がさめたように」
神は「激しく怒られた(62)」のですが、そのさばきの間、あたかも眠っていたかのような表現です。「目をさまされた」のヘブル語「yaqats(ヤキャッツ)」は、ノアがぶどう酒によって眠りから覚めたとき(創9:24)や、ヤコブがベテルで神のお告げを受けて、夢から起きたとき(創28:16)などで使われた単語です。これはご自分の民を罰することが、神の本意ではなく、あくまで民の犯した罪によるものだということを示していると思います。聖書にいくつかある、わざわいを思い直す(出32:14、エレ18:8など)のとは違い、敵の手にゆだねた、とあります(61)。しかし、ご自分の全ての民が滅びることを望ん でいるわけではなく、怒りが収まるなら、また正しい道を示し主の選びの民を導いておられます(68)。パウロイスラエルの歴史は「世の終わりに臨んでいる私たちへの教訓とするため(1コリ10:11)」に書かれたのだと言っています。主が眠りに陥らないようにするのは、自分たちの信仰にかかっています。