アモス9章 アラムをキルから連れ上ったではないか

アモス9:7「イスラエルの子ら。あなたがたは、わたしにとって、クシュ人のようではないのか。――主の御告げ――わたしはイスラエルをエジプトの国から、ペリシテ人をカフトルから、アラムをキルから連れ上ったではないか」
イスラエルをエジプトの国から連れ上ったのは有名な話ですが(出12:41)、同様にペリシテ人をカフトルから連れ出したこともイスラエル人には馴染みのある話だったようです。カフトルはハム系の子孫で、世界最初の権力者ニムロデを生んだクシュの弟ミツライムから出ています(創10:13-14)。カフトルの兄はカスルヒムでここからペリシテ人が出たと書かれています(創10:14)。ペリシテ人とカフトルとは親類関係にありましたが、ペリシテはカフトルの支配下にあったようです。カフトルは現在のクレタ島にあたると言われており、ペリシテ人の一部は島に幽閉されていたと想像されます。神の手がペリシテ人にも働きカフトルから連れ出されました。また、アモスは1章で「アラムの民はキルへ捕らえ移される(1:5)」と預言しており、1章から9章までどれくらいの時間が経過したかはわかりませんが、一時期アラムはキルへ移住させられていたようです。そのアラムが主の働きによってアラムの土地に帰ることができたことを言っています。出エジプト以外、我々には馴染みの薄い話ですが、当時アモスの預言を聞く者たちには、これらの話は神が直接介在し、自分たちの人生と直結していることが理解できたのだと思います。