申命記27章 石灰を塗らなければならない

申27:4「あなたがたがヨルダンを渡ったなら、私が、きょう、あなたがたに命じるこれらの石をエバル山に立て、それに石灰を塗らなければならない」
「石灰」はおそらく、日本語で「漆喰(しっくい)」のことだと思われます。一般に建築材のしっくいは表面をなめらかにし、防水性を高めるなどの効果があります。石灰に使われているヘブル語は「siyd(シード)」で、旧約中ではこの申命記27章のみに使われている単語です。想像ですが、自然のままの石では文字が書きにくいので、石灰を塗って表面をなめらかにして律法が書きやすい状態にしたのではないでしょうか。この石がどれだけの大きさなのかは書かれていませんが、エバル山の頂上まで運び、今まで命じられてきた主の命令を全部書いたのなら相当の大きさだったと思います。12部族は二手に分かれて、祝福とのろいを宣言せよと命じられています(12-13)。その内容は具体的なもので、何が祝福され、何がのろわれるかを示したものです。特に「アーメンと言いなさい」と命じられている12ののろいは「シェケムの12戒」とも言われ、どれも実行しなければのろわれるのです(15-24)。これらのことばは律法の書にしるされ、ヨシュアは約束の地に入ったときに申命記27章の命令に従って、この祝福とのろいの宣言を行なっています(ヨシュ8:33-34)。律法は613あるとされ、248の「しなさい」という命令と、365の「してはならない」という命令に分かれています。ここでは、何をすればのろわれるかが書かれています。