詩篇52篇 あなたに感謝します

詩52:9「私は、とこしえまでも、あなたに感謝します。あなたが、こうしてくださったのですから。私はあなたの聖徒たちの前で、いつくしみ深いあなたの御名を待ち望みます」
エドム人ドエグはダビデのことをサウルに告げ口しただけでなく(1サム22:9)、サウル王の家来が手出しできなかった祭司85人を平気で刺し殺した男です(1サム22:18)。このドエグは主の前に引き止められていた(1サム21:7)と書かれています。「引き止める」は英語では「detain」で、ヘブル語では「atsar(アトサール)」という単語が使われており、「黙る」とか「とどまる」という意味があります。ドエグは非常に狡猾で貪欲な男ですが、何か主の計画があってドエグの行動は制限されていました。おそらくその答えがこの52編だと思います。つまり、ダビデがドエグの密告を知ったときにどのように反応するかが試されていたのではないでしょうか。この詩の歌い出しはドエグを中傷することで始まっています(1-3)。そしてドエグがどのような報いを受けるかを語っています(6-7)。しかし、ダビデ自身はドエグに復讐をせず、神に拠り頼むことを宣言するのです(8)。最後には「あなたがこうしてくださったのですから(9)」と、主のなさったことを否定せず、すべて受け入れて感謝を捧げています。ドエグは自分の欲にまかせて行動したようですが、実は神のご計画でした。ドエグがしたことは許しがたいことですが、その背後に主がおられることを理解できるのはダビデならではだと思います。