詩篇63篇 こうして聖所で

詩63:2「私は、あなたの力と栄光を見るために、こうして聖所で、あなたを仰ぎ見ています」
表題では「ユダの荒野」と書かれ、1節には「水のない、砂漠の衰え果てた地で(1)」とあります。当然、砂漠の乾いた地でのことを詩にしようとしているのです。しかし、「こうして聖所で、あなたを仰ぎ見ています」とあるのは矛盾するように思えます。いくつかの表題にはエドム人ドエグが言ったときとか(52篇)、洞窟にいたときとか(57篇)、さまざまな状況にダビデが遭遇したときの詩だとあります。実際に詩を歌っているのはダビデの作った幕屋の中です。そこには多くの楽器を演奏する者や一緒に歌う者たちがいて、賛美をささげていたのです。詩篇には「指揮者のために」とか、「〇〇の調べにあわせて」という表現があります。もしダビデが自分が聖所にいると言うのなら、それは幕屋の中を指しています。ダビデの作った幕屋には契約の箱を置く場所を区切る幕があったとは書かれていません。箱は幕の真ん中に置かれたと書かれています(2サム6:17)。つまり聖所は幕屋自体のことです。契約の箱を前にして、主の前で賛美していることを喜んでいることが感じられます。