ピリピ1章 見分けることができるように

ピリ1:10「あなたがたが、真にすぐれたものを見分けることができるようになりますように。またあなたがたが、キリストの日には純真で非難されるところがなく」
ピリピへの宣教のきっかけは、パウロの見た幻によります。ある夜、パウロは「マケドニヤに渡ってきて、私たちを助けてください」というマケドニヤ人が懇願する幻を見ます(使16:9)。マケドニヤ地方の最大都市がピリピでした(使16:12)。ピリピにはシナゴーグもなく、パウロたちは河岸に集まっていた女たちにキリストを語ったのです(使16:13)。その後、ピリピに滞在しようとしたとき、占いの霊に取りつかれた女に付きまとわれ、しかたなくパウロは彼女に取りついている霊を追い出しました(使16:16-18)。それがきっかけでパウロは投獄されてしまうのです(使16:23)。このようなことがピリピ宣教のきっかけとして使徒の働きに書かれています。パウロがピリピの人たちに、本物を見分けるようにと書いたのは、パウロが悪霊の女を体験したようにピリピには惑わしたりするものが溢れているからです。教会内でも、純粋でなく、ねたみや争いを持ってキリストを宣べ伝えたり(15)、党派心を持って宣べ伝える者(17)がいたとあります。パウロはピリピの人たちに純真で非難されることがないようになってもらいたかったのです(10)。信仰に堅く立ち、心を一つにするなら、反対者に脅かされることもない、とパウロは勧めています(27-28)。