詩篇74篇 あなたは月と太陽とを備えられました

詩74:16「昼はあなたのもの、夜もまたあなたのもの。あなたは月と太陽とを備えられました」
アサフがイメージする神は、ヨブのものに似ています。ヨブもまた竜やレビヤタンを引き合いに出し、いかに神が強い力を持っているかを語っています(ヨブ41章)。太陽が昇り、月が夜を照らすような、当たり前のことでも、主のことわりなしには起こり得ないことです。地上のどんな巨獣も主の前では、暴れることはできません(13-14)。そのようにあらゆる自然の営みを支配しておられる方なのに、ご自分の聖所を汚されても何もしないのでしょうか(8)。アサフの主への問いかけは、ある意味苦悩の叫びのようでもあります。神の力が絶対なことを知っていても、いざ神殿が焼かれ廃墟になろうとしているのを目撃するなら(8)、主はいつまで暴挙を許しておられるのだろうかと言いたくなります。主が立ち上がり、さばきを下すのは終わりの時代ですが、目の前であり得ない現実が起きるなら、すみやかに主が行動を起こしてくださらないだろうかと考えるのはアサフだけではないでしょう。そんなときでも主をほめたたえることができるように、とアサフは考えているのです(21)。それはダビデ同様に、さばくのは主のやることで、人が怒りに任せて復讐するべきではないとわかっているからです。