1サムエル21章 落ち合うことにしています

1サム21:2「ダビデは祭司アヒメレクに言った。「王は、ある事を命じて、『おまえを遣わし、おまえに命じた事については、何事も人に知らせてはならない』と私に言われました。若い者たちとは、しかじかの場所で落ち合うことにしています」」
聖書を読む人はこれが嘘だということがわかっています。サウルはダビデに何も命じていませんし、ダビデは誰とも落ち合うことにはなっていません。アヒメレクが言った「普通のパンは手もとにありません(4)」というのは、おそらくダビデが来たのが安息日だったので、輪型のパン12個を取り換えた直後だったと思われます。これはモーセの幕屋時代に決められた聖所での作法で(レビ24:8)、アヒメレクは忠実に主のことばを守っていたことがわかります。さらに、ダビデはアヒメレクに武器を求め、自分が倒したゴリアテの剣を手に入れます(9)。ゴリアテの持っていた槍の柄が機織りの巻き棒のようだと(17:7)あるので、その剣はバカでかいものだったと推測できます。アヒメレクのところで腹を満たし、剣を手にしたダビデはガテに向かいます(10)。ダビデの単独ででかい剣を担いでいる様子は、アキシュたちの目には変に映ったと思います。ここでダビデは気が変になったふりをしています(13)。嘘をつきたくて嘘をついたのではなく、気がふれた芝居をしたかったわけでもありません。アヒメレクのときと言い、アキシュのときと言い、命を狙われるということがどれほどダビデの精神を圧迫しているかがわかります。ダビデにとってぎりぎりの選択だったのです。