エレミヤ48章 主に対して高ぶったからだ

エレ48:42「モアブは滅ぼされて、民でなくなった。主に対して高ぶったからだ」
モアブはアブラハムの甥ロトから生まれた、イスラエルの民にとっては親類筋にあたります(創19:37)。モアブはアブラハムの子孫のようにエジプトに身を寄せてききんを過ごしたのではなく、彼らの土地で生き延びてきたのです。彼らはアブラハムの子孫のように、イスラエルの神を信仰せず、ケモシュという神を信仰していました(民21:29)。彼らは自分たちの土地を耕し、安定した生活を送っていたようです。そのためにエレミヤの預言では「モアブは若い時から安らかであった(11)」と語られています。さらに預言ではモアブをぶどう酒にたとえ、「ぶどう酒のかすの上にじっとたまっていて、器から器へあけられたこともなく、捕囚として連れて行かれたこともなかった。それゆえ、その味はそのまま残り、かおりも変わらなかった(11)」とあります。良くも悪くも、彼らは定まった地に住み続け、イスラエルの隣人として常にユダヤ人と関わってきました。しかし、今回バビロンの猛攻により、モアブの地も危うくなってきています。実際にはユダの捕囚があってから5年後にモアブも攻撃にあっています。主はモアブへのさばきも、「主に対して高ぶったから(42)」だとされています。イスラエルをあざけり、笑うものは主に対してあざけり、笑ったことになるのです。