1列王記2章 シムイを打ち取った

1王2:46「王はエホヤダの子ベナヤに命じた。彼は出て行って、シムイを打ち取った。こうして、王国はソロモンによって確立した」
シムイはダビデがアブシャロムに追われているときに、呪いの言葉を吐き、石を投げた男です(2サム16:13)。彼はベニヤミン出身だったために、サウル王の代わりにダビデが王になったことを恨んでいました(2サム16:16)。それでも、アブシャロムが死んだことを知ると、ヨルダン川ダビデを迎えに行きいのち乞いをして、ダビデから「あなたを殺さない」という約束を取り付けたのです(2サム16:18-23)。この話はこれで終わったように思われましたが、ダビデがソロモンに告げた最後の言葉はシムイの処遇についてでした(9)。ダビデとしても油注がれた者を呪ったシムイに恩赦を与えてしまったものの、その行為は赦されざるものだと理解していました。ソロモンもダビデとシムイとの約束を守り、シムイのいのちを無理に奪うことはしませんでした。ただし、シムイをエルサレムに住まわせ、自分の目の届くところに置き、幽閉して自由を奪っておいたのです(36)。しかし、3年後にシムイの奴隷が逃げ、こともあろうに、ガテのアキシュのところに行ってしまったのです(40)。3年という月日がシムイの気を緩めてしまったのでしょう。ソロモンの王位が確立されるためには、ダビデからの遺言が履行されなければならなかったのです。