1列王記4章 ソロモンの知恵を聞くために

1王4:34「ソロモンの知恵を聞くために、すべての国の人々や、彼の知恵のうわさを聞いた国のすべての王たちがやって来た」
ソロモンが与えられたのは知恵だけではありませんでした。「海辺の砂浜のように広い心(29)」も同時に与えられていました。それは自分の賢さにおごり、高慢にならずに、多くの人の苦しみや悲しみをも理解できる心のことだと思います。聖書には、子どもをすり替えられた母が自分の子を2つに裂かれるのを悲しみ、自分の子の権利を放棄しようとした話が書かれています(3:16-27)。ソロモンの下した判決は、我が子を守ろうとした女が実の母親だというものでした。現在のようにDNA鑑定などない時代です。しかし、神が造られた人の心には、我が子を愛すると言う普遍の愛が備わっているのです。血液検査やDNA鑑定などしなくても、我が子を愛する愛は何千年たっても同じだと思います。この普遍の真理の上にイエス・キリストの十字架は成り立っているのです。知識のある者は、知識のない者を軽蔑する傾向があります。どうしても対等に語り合えない、不釣り合いな関係に苛立ちを覚えることもあるでしょう。しかし「海辺の砂浜のように広い心」があるなら、相手を思いやり、丁寧にわからないことでも忍耐を持って教えることができるでしょう。このような人なら世界の果てからでも会いにきて、その知恵を聞きたいと思うでしょう。