エゼキエル12章 はるか遠い将来について

エゼ12:24「人の子よ。今、イスラエルの家は言っている。『彼が見ている幻はずっと後のことについてであり、はるか遠い将来について預言しているのだ』」
メシヤが現れるのも、イスラエルが再興されるのも、この時代の人にとっては遠い未来のことです。しかし、バビロンがエルサレムを包囲して、ユダヤ人たちをバビロンの地へ連れていくことは、遠い未来のことではありません(11)。神の預言がすぐに起きなければ、人々は「日は延ばされ、すべての幻は消え失せる(22)」と噂し、主のご計画はもっと先に起きるのだと格言のようになっていました。主がエゼキエルに託したことばは、「あなたがたが生きているうちに、わたしは言ったことを成就する(25)」というもので、本当に時間が切羽詰まっている様子が見て取れます。「むなしい幻も、へつらいの占い(24)」と書かれていますが、おそらく民衆に都合の良い幻を告げる者や、バビロンが包囲を解いて去って行くような占いの結果を人々は信じていたのだと思います。良い結末ならば信じ、エゼキエルのような不吉なことが起きると預言するなら信じないのです。この預言がゼデキヤの第6年6月5日以降に語られたのなら(8:1)、最大であと5年でエゼキエルの預言は成就します。あと数年で起きるとわかっていても、人々は絵空事のような感覚だったのだと思います。それでも一人でも救おうとする主の願いが伝わってきます。