エゼキエル13章 ひとつかみの大麦のため

エゼ13:19「あなたがたは、ひとつかみの大麦のため、少しばかりのパンのために、まやかしに聞き従うわたしの民にまやかしを行ない、死んではならない者たちを死なせ、生きてはならない者たちを生かして、わたしの民のうちでわたしを汚した」
既得権益という言葉がありますが、自分の利益を確保するために既得権益者は特権や賄賂を使って、自分たちに都合の良い道理を人々に押し付けます。その結果、貧困に苦しむ者、無実で捕らえられる者ができてしまいます。「死んではならない者たちを死なせ、生きてはならないものを生かし(19)」という預言は、ひとつかみの大麦のために主からではない預言、うらない、まぼろしを伝える者たちがいたことを示しています。こういう事実を知るなら、人の心は今も昔もまったく変わっていないことを痛感させられます。「主の御告げ」と言われれば(6)、誰も否定できなくなります。それは異教の神を拝みながらも、イスラエルの神すなわちアブラハム、イサク、ヤコブの神は自分たちの神だと認識していたことになります。預言者たちは「主の御告げ」を使うことで誰からも疑われることなく、預言していました。ところが、「わたしが語りもしない(7)」と言われてしまうと、彼らは恥いるばかりだと思います。最高権力者になってしまうと、だれも最高権力を戒めることはできません。しかし、この世界には神がおられます。彼らは自分が制御できないものを見たとき「わたしが主であることを知ろう(23)」ということばが成就するのです。