エステル9章 この記念が彼らの子孫の中で

エステル9:28「また、この両日は、代々にわたり、すべての家族、諸州、町々においても記念され、祝われなければならないとし、これらのプリムの日が、ユダヤ人の間で廃止されることがなく、この記念が彼らの子孫の中でとだえてしまわないようにし」
現代でもプリム祭は3月ごろイスラエルで行われています。現在のプリム祭は、仮装パレードのようなもので、多くの人がコスチュームを着て祭りに参加します。プロテスタントでは読まれていませんが、清めの祭りとか光の祭りと呼ばれているマカバイ記に基づくハヌーカの祭りもイスラエルでは有名です。エステル記はエズラ、ネヘミヤのように神の御心を求める書き方でなく、勧善懲悪の物語として聖書に編纂されています。ユダヤ人はいつもしいたけられている中でエステルやモルデカイの活躍に拍手喝采を送っていたのでしょう。そういう意味では子どもでもわかりやすく、親しみやすい物語だと言えます。創世記のヨセフも同じように、一時は王に次ぐ位に就いたとしても、エジプトやペルシャのような大国の中では、それはちょっと賢い役人程度の扱いしか受けないようです。クセルクセス王の治世は20年だと世界史の年表にあり、仮にモルデカイが総理大臣のような地位にあったとしても、優秀な王のサポート役でペルシャの歴史に名を残すことはありませんでした。それよりも、エズラ、ネヘミヤに登場するゼルバベルと一緒に帰還した名簿の中にモルデカイの名があることの方がよほど気になります。彼はアルタシャスタ王の時代には民の中に戻り、いちユダヤ人として神に尽くすのです。