ダニエル10章 ギリシヤの君がやって来る

ダニ10:20「そこで、彼は言った。「私が、なぜあなたのところに来たかを知っているか。今は、ペルシヤの君と戦うために帰って行く。私が出かけると、見よ、ギリシヤの君がやって来る」」
ここでギリシャの名前が出てくるのは驚きです。なぜなら、この幻の最初はキュロス王3年目のことだとあるからです。ダニエルが喪に服していたのは、おそらく自分を高い位まであげてくれたバビロンが滅びたことへの哀悼の意だったと思います(1-2)。歴史の年表によるならば、クロス王即位はBC559年とされており、マケトニアのアレキサンダーとダリヨス3世とのイッソスの戦いはBC333年となっています。ペルシャが滅びるまでには、まだ200年以上のときがあります。200年後、アレキサンダー大王が現れて、わずか20歳でメソポタミア地方を征服し、その勢いはトルコ、アジアにまで伸ばす勢いでした。この200年の間に、エステルはアハシュエロス王(クセルクセス)の妃になり、養父のモルデカイはペルシャの高官になりました。また、この間に多くのユダヤ人はエルサレムに戻り、神殿を再建築させていたのです。そうしたユダヤ人の動きとは別に、神はペルシャの存続を望まず、新しい支配者の準備をされていたのです。それはアレキサンダーが生まれる前から定まっていたことで、ネブカデネザル王が見た像の青銅と腹とももの成就でもあります(2:39)。これらが過ぎないと次のローマに繋がらず、イエス様の十字架も実現しないのです。