民数記30章 やもめや離婚された女の誓願で

民30:9「やもめや離婚された女の誓願で、物断ちをするものはすべて有効としなければならない」

聖書の中で有名な請願の話は、サムエルの誕生のものです。サムエルの母ハンナは子どもが与えられず、主の宮で祈り請願を立てていました。その際に、「このはしために男の子を授けてくださいますなら、私はその子の一生を主におささげします(1サム1:11)」と主に誓っていました。そして、食事をしなかったとあるので、断食の状態だったと考えられます(1サム1:7)。エリはその様子を見て、最初は酔っているのかと思いましたが、彼女の神に対する信仰を見て「安心して行きなさい。イスラエルの神が、あなたの願ったその願いをかなえてくださるように(1サム1:17)」と語っています。祝福の言葉を受けたハンナは帰って食事をし、その後主の宮から家に帰り、身ごもります(1サム1:29)。ハンナが請願の成就を悟ったのは、祭司エリとの会話の後です。子どもが生まれたハンナは主の前で「その子の頭に、かみそりを当てません(1サム1:11)」と宣言しています。聖書にはサムエルの髪の毛には触れていませんが、おそらく士師記のサムソンのように一度も神を剃ることはなかったのだと想像できます。やもめや離婚された女も社会的に不利な立場でしたが、結婚して子どもができない女も下に見られていました。主は弱者に配慮される定めをモーセに授けているのです。