詩篇3篇 私の神。私をお救いください

詩3:7「主よ。立ち上がってください。私の神。私をお救いください。あなたは私のすべての敵の頬を打ち、悪者の歯を打ち砕いてくださいます」

アブシャロム自身も兄を殺して逃げたことがあります(2サム13:34)。しかし、アブシャロムの場合はダビデのように主に撚り頼むことはありませんでした。ダビデの一貫した態度は自分がさばくのではなく、主にさばきを委ねるというものでした。そして、自分の主君サウルには「油そそがれた方」だという理由で決して、攻撃や反撃をしませんでした(1サム24:6)。今回アブシャロムから逃げることになったのは、アブシャロムが数年かけて練り上げた計画が実行されたからです。まず、ダビデのところに問題を抱えてお伺いをたてにいった人々の心を4年かけて盗み(2サム15:6ー7)、ヘブロンで王になったことを宣言しました(2サム14:12)。このとき、アブシャロムはたった200人を連れていけにえを捧げるためにヘブロンに向かっており、この200人は何も関係のない人々でした(2サム15:11)。巧みに操作された情報で、ダビデイスラエルの人の心がアブシャロムになびいたと錯覚してしまうのです(2サム15:13)。不貞の罪を犯したアムノンでさえ、その死を悲しんでいたダビデが(2サム13:39)アブシャロムを追撃することなどできませんでした。神だけがダビデの頼みであり、拠り所だったのです。