申命記10章 板を私が作った箱の中に納めた

申10:5「私は向き直って、山を下り、その板を私が作った箱の中に納めたので、それはそこにある。主が命じられたとおりである」

モーセ十戒を記した板を箱に収めたのは、山を降りてからでした。そのため、イスラエルの民は板を直接見ることはできず、十戒の板を見たのはモーセと限られた者たちだけだったと思われます。神はわざわざモーセを呼び出し、二度にわたって十戒の板を授けられたのは、よほど十戒が大切だったことを示しています。戒めは今日も生きており、第一の戒め「あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない(5:7)」は、永遠に守るべき人への教えです。また、偶像を作って拝んでもなりません(5:8)。それは神ご自身が「ねたむ神」だと言われているからです(5:9)。これらの戒めは、人がほかの神を作ってしまうことや拝んでしまうことを最初から神がご存知だったことを示しています。人は大きなものに心奪われ、きれいなものに心を支配されがちです。イエス様の弟子も、建設中のヘロデ神殿を見て目をみはっていました(マタ24:2)。また、約束の地へ偵察に行った者たちは大きなアナク人に恐れをなしました(民13:28)。ちょっとしたことでも人の心は奪われたり、支配されたりするのです。唯一の神を信じる信仰がなければ、簡単にほかの神へ心酔してしまい、神を妬ませることになってしまいます。