申命記29章 異邦の民の神々に行って

申29:18「万が一にも、あなたがたのうちに、きょう、その心が私たちの神、主を離れて、これらの異邦の民の神々に行って、仕えるような、男や女、氏族や部族があってはならない。あなたがたのうちに、毒草や、苦よもぎを生ずる根があってはならない」

ステパノによるならば、「万が一にも」とモーセが言ったことが現実に起きていたようです。「あなたがたは荒野にいた四十年の間に、ほふられた獣と供え物とを、わたしにささげたことがあったか。あなたがたは、モロクの幕屋とロンパの神の星をかついでいた。それらは、あなたがたが拝むために作った偶像ではないか(使7:42-43)」とあるように、荒野の時代から自分たちの作った偶像を担いていた可能性があります。「モロク」「ロンパ」は2017年度訳では「モレク」と「ライパン」という言葉になっています。アモン人のあいだでは「ミルコム」と呼ばれていた神は、モアブの間では「モレク」と呼ばれていました。さらにモアブには「ケモシュ」という神もあり、複数の神がいたことになります。ソロモンはケモシュとモロクのために祭壇を築き(1王11:7)、この頃から異教の神がイスラエルに入り込むようになっています。アシェラ、バアル、モロクなどの神は自分の子どもたちを火にくぐらせるよう要求し、イスラエルの中ではこの風習がいっとき常態化していた時期があります(2王17:17)。これらを見て神はぎりぎりまでさばきを与えず、我慢しておられたのです。しかし、イスラエルの民の心は誘惑に負けてしまいました。