ヨシュア記20章 これらの町の一つに逃げ込む場合

ヨシュ20:4「人が、これらの町の一つに逃げ込む場合、その者は、その町の門の入口に立ち、その町の長老たちに聞こえるように、そのわけを述べなさい。彼らは、自分たちの町に彼を受け入れ、彼に一つの場所を与え、彼は、彼らとともに住む」

たとえ過失であっても、自分の肉親が殺されたのなら復讐したいと思うでしょう。この「のがれの町」は、荒野にいるときからの主の命令で(民35:6)、まだ約束の地に入る前から主は過失による事故が起こり得ることを知っていました。もし、殺された家族がその現場に居合わせて、目撃したなら、過失者を追いかけないでしょうか。当時は正当な逮捕や公正な裁判などはありませんから、過失を犯した者はただ逃げるしかありません。逃れの町が何十キロと離れていようとも、そこに逃げ込むしか助かる道はないのです。ひょっとしたら、死んだ者の家族は諦めずにずっと追いかけてくるかもしれません。逃れの町に入ったら復讐はもうできないのです。聖書の中では、実際に逃れの町の外で復讐されたことは書かれていませんが、逃れの町に入る前に復讐を遂げられた者もいたかもしれません。イエス様は「愛」を説き、赦すことを奨励しました(マタ7:1)。それでも同胞の間で傷つけ合うことは避けられません。「復讐と報いとはわたしのもの(申32:35)」という主のことばとおりに、復讐を自分の手でするのではなく、主に委ねることができれば逃れの町もいらないのでしょう。逃れてきた者の必死の訴えが長老たちに理解してもらえれば、彼の命は助かります。