エペソ1章 世界の基の置かれる前から

エペ1:4「すなわち、神は私たちを世界の基の置かれる前から彼にあって選び、御前で聖く、傷のない者にしようとされました」

「世界の基の置かれる前から」というのは、英語では「before the creation of the world」となっています。天地創造の前は、聖書にはわずか2節しか書かれてなく、「はじめに、神が天と地を創造した。地は茫漠として何もなかった。やみが大水の上にあり、神の霊が水の上を動いていた(創1:1-2)」というものです。ここで登場するのは「地」と「水」「やみ」「神の霊」の4つです。人はまだ創造されていませんが、パウロによるなら「光があれ(創1:3)」と言われた瞬間には、選びが完了していたことになります。アダムとエバが造られ、その子どもたちが誰と結婚してどのように子孫を残すかも知っておられ、その中で選びも終わっていたのでしょう。宗教改革後、カルバンは「予定説」を唱え、救われる人は神によってあらかじめ決まっているのだと説きました。このエペソは予定説の根幹となる書簡で、救われてキリストを信じるようになった人たちには朗報です。しかし、神の愛が限定的なものでなくすべての滅びに向かっている人を対象としているのは明らかです。救われない人は救われない、と最初から結論ありきでは伝道などできないでしょう。誰が救われているかは神のみぞ知るトップシークレットで、「いのちの書(黙13:8)」は誰も見たことがないのです。