詩篇108篇 出陣なさらないのですか

詩108:11「神よ。あなたは私たちを拒まれたのではありませんか。神よ。あなたは、もはや私たちの軍勢とともに、出陣なさらないのですか」

この詩はおそらくダビデが出陣する前に歌ったものだと思われます。モアブもエドムもペリシテも、当時ダビデが戦っていた相手です(9)。通常ダビデは出陣する前に神に伺いを立てています(2サム2:1など)。サウルも同じように尋ねていましたが、主はすぐには答えを出さないときがありました(1サム14:37)。それはヨナタンが蜜を舐めたことで、神の戒めを守らなかった罪があったからでした(1サム14:43)。ダビデも主からの答えが遅く、長く感じられたとき、主に催促するように歌っています。もう一緒に出陣し、神の栄光を見ることはできないのか、ダビデの心境は不安でしょうがなかったと思います。なぜなら、常に神の御心を求め、神の意思を第一に考えてきたダビデには、主のご加護なくして出陣することなどあり得なかったからです。そして、仮に強い味方に援護してもらい、勝てたとしても、人から助けられることは虚しいことを知っていました(12)。「神によって私たちは力ある働きをします(13)」はダビデの悟りだと思います。自分の力で敵を破るのではなく、神が勝利をもたらしてくださるのです。どんなに連戦連勝でも高慢にならないダビデの様子が見て取れます。