詩篇126篇 シオンの繁栄を元どおりに

詩126:1「主がシオンの繁栄を元どおりにされたとき、私たちは夢を見ている者のようであった」

ペルシャのクロス王が自分の名前を聖書に見つけ、霊が奮い立たされたのは、ちょうど捕囚から70年目でした。クロス王は早く死に、次のダリヲス王の第2年には工事が中止されています(エズ4:24)。そして、次のアルタシャスタ王に時代になり、王や高官たちはなぜユダヤ人たちはエルサレムに戻って、神殿を再築しているのかがわからなくなっていました。それで献酌官のネヘミヤが立ち上がり、王に直訴して神殿再築を進めたのです(ネヘ2:1)。近隣諸国や同胞たちの妨害もあり、再建の中断は16年にも及びました。捕囚の70年が終わったらすぐにエルサレムに帰還し、神殿と町を再建したわけではありません。町が元どおりになるには、多くの妨害や試練がありました。工事の最中も槍を手にしながら行ない、見張りを立てていつも外敵からの攻撃に備えていなければなりませんでした(ネヘ4:21-23)。このような状況を克服して元どおりにされた神殿を見て、ユダヤ人たちの喜びもひとしおだったように思います。この歌い手は、本当に主が約束を守り、エルサレムの町と神殿を回復してもらったのを目撃した本人なのでしょう。「涙とともに種を蒔く者は(5)」ということばに意味を真に理解している人なのです。