詩篇133篇 アロンのひげに流れて

詩133:2「それは頭の上にそそがれたとうとい油のようだ。それはひげに、アロンのひげに流れてその衣のえりにまで流れしたたる」

アロンが油そそがれたのは、祭司職に任命されたときです(出29:29)。出エジプトではアロンが油そそがれたときの様子は書かれていませんが、ダビデはそのとき、油はひげに流れて衣のえりまで流れしたたったと言っています(2)。ダビデもまたサムエルによって、ダビデの兄弟たちの真ん中で油をそそがれました(1サム16:13)。ダビデ自身が油そそがれた者なのに、なぜアロンを引き合いに出してきたのでしょう。ダビデは主の前に出るときにはエポデをつけていました(2サム6:14)。また、主にうかがいと立てるときもエポデを着ていました(1サム23:9)。おそらくウリムとトンミムを使って主にどうすれば良いかの判断を仰いだのだと思います。そのようにして、ダビデはレビ族ではないけれども、主の前に祭司のように振る舞い主を恐れていました。ここで祭司職のアロンを引き合いに出したのは、王よりも祭司のほうが主に仕える者としてまさっていると考えたのかもしれません。ヘルモンの露(3)にも例えられる油そそぎは神からの祝福の象徴であり、それは限られた人だけに与えられた特権でした。ダビデは主を信じる者を兄弟たちと呼び、ともに過ごすことは油そそぎにも匹敵する祝福だと歌っているのです。