エレミヤ49章 岩の住みかに住む者

エレ49:16「岩の住みかに住む者、丘の頂を占める者よ。あなたの脅かしが、あなた自身を欺いた。あなたの心は高慢だ。あなたが鷲のように巣を高くしても、わたしは、そこから引き降ろす。―主の御告げ―」

世界遺産ペトラ遺跡はもともとはエドム人の住んでいた岩場です。岩を掘って住むと、岩の中は涼しく砂漠の気候だった中東では必然的にできたエドム人の知恵でした。また、岩場は馬やらくだも進みにくく、ここを拠点とするなら難攻不落の城となり得ます。石そのものが矢や槍を跳ね返し、たとえ取り囲んだとしてもうかつに攻め入ることはできないでしょう。しかし、主はそのようなエドム人に対して高慢を指摘しています。「一瞬にして彼らをそこから追い出そう(19)」とあり、誰もが攻められなかった岩場からあっという間に追い出されることが預言されています。エドムは「赤い」という意味でエサウのことを指します(創25:30)。エサウの長男がエリファズで、その長男にテマンがいます(創36:11)。そしてテマン人は知恵あるものとされていましたが、主によってその賢い者たちの分別が消え失せて、主の前では無力になることが書かれています(7)。エレミヤの預言では近隣のエジプト(46章)、ペリシテ(47章)、モアブ(48章)につづき、アモン、エドム、ダマスコ、ケダルに至るまですべての国の滅びが語られ、バビロンはこれらすべての国を標的にしていたことがわかります。