あわれみを理解せず

創19:16「しかし彼はためらっていた。すると、その人たちは彼の手と彼の妻の手と、ふたりの娘の手をつかんだ。―主の彼に対するあわれみによる。そして彼らを連れ出し、町の外に置いた」
このふたりの娘は処女でしたが、すでに婚約者がいました(14)。婿たちはロトの進言を冗談として受け止め、彼らと一緒に行こうとはしませんでした。ふたりの娘はソドムという街で生まれ育ったために、自分たちが結婚することは当たり前だと考えていたのです。彼女たちもまた、町を出ることをためらっていました。それゆえ、主の憐れみによって連れ出されたことを理解していなかったのです。彼女たちの信仰はロトの信仰より劣っていました。「もう、昔のようにすぐに結婚できて子供を産んで幸せな家庭を持つことができない」…と話し合うのです(31)。彼女たちの思いは、塩の柱になってしまった母の性格を受け継いでいます。彼女たちの母もまた、ソドムを惜しがりました。主が用意された新しい生活よりも、昔の生活が大切だと考えたのです。彼女たちのためらいは、そのままロトとの近親相姦につながっていくのです。