ヨアブとアブシャロム

2サム17:25「アブシャロムはアマサをヨアブの代わりに軍団長に任命していた。アマサは、ヨアブの母ツェルヤの妹ナハシュの娘アビガルと結婚したイシュマエル人イテラという人の息子であった」
もちろんヨアブはアブシャロムに従ったわけではありませんが、代わりにヨアブの親戚筋の男を軍団長にしていました。そして最後には木にぶら下がったアブシャロムをヨアブがダビデの生かしたまま捕らえろ、という命令に背いて殺してしまいます(18:14)。それというのもヨアブとアブシャロムの間には遺恨があったからです。実の妹タマルを辱めた異母兄弟のアムノンを殺したアブシャロムはダビデから嫌われてしまいます。しかしヨアブのバテ・シェバのシーンを思い出させるような見事な作戦によって、ダビデとアブシャロムは和解できました(14:1-19)。そんな恩義もわきまえず、ダビデに会えないアブシャロムはヨアブの畑を焼いて、彼を呼び出すのです(14:31)。ヨアブはおそらくこのことを根に持っていたと思います。アブシャロムは賢く、美貌もありました。しかし、アブシャロムが一度ある思いにとらわれるなら、何をするかわかりません。ヨアブは遺恨以外に、アブシャロムの王になる資質を疑い、将来イスラエルの王になることには反対だったのだと思います。生かしておけば、いずれ厄介な問題を起こしかねないアブシャロムは王の命に背いても殺しておかねばならなかったのでしょう。