創世記46章 あなたがたはゴシェンの地に住むことができるでしょう

創46:34「あなたがたは答えなさい。『あなたのしもべどもは若い時から今まで、私たちも、また私たちの先祖も家畜を飼う者でございます』と。そうすれば、あなたがたはゴシェンの地に住むことができるでしょう。羊を飼う者はすべて、エジプト人に忌みきらわれているからです 」
ゴシェンには牧草があり、放牧に適していました(47:4)。ヨセフが兄弟たちと再会したときに羊や牛ではなく、「獣」をほふり料理せよと命じています(43:16)。羊のヘブル語は「tson(ツォーン)」で、獣は「tebach(テバク)」で一般的な動物を指します。古代エジプトの遺跡からはパンとビールが見つかっており、彼らの食生活が豆や野菜が中心だったと考えられています。また、ヨセフが兄弟たちと食事したときに、それぞれに出された食事は違ったものだったとあります(43:32)。エジプト人はおそらく羊を食べる習慣がなかったのでしょう。さらに、価値観の違いかはわかりませんが、牧羊という仕事は身分の低い者がすることで「忌みきらわれ」ていたのだと思われます。王に次ぐ地位のヨセフの家族がやって きたのなら、彼らにも高い地位が与えられる可能性もあったでしょう。しかし、エジプト人とへブル人は仲が良いとは言えませんでした。ヤコブたち家族が引っ越してきて、へブル人に要職を奪われ、エジプト人に恨まれることなく、安全で平和な方法が「ゴシェン」であり、神があらかじめ用意しておいた土地だったのだと思います。