詩篇72篇 貧しい者をあわれみ

詩72:13「彼は、弱っている者や貧しい者をあわれみ、貧しい者たちのいのちを救います」
「彼」とは「王の子(1)」のことで、一貫して「彼」について歌われている詩です。最初に「ソロモンによる」とあり、最後に「ダビデの祈りは終わった(20)」で終わっています。これはソロモンもこの歌を知っているという意味になり、「王の子」が自分ではなく、来たるべき救世主のことを示しているのは、ソロモン自身もなんとなく感じ取っているように思えます。ソロモンはダビデ王の子として、主に知恵を求め、とても華々しいスタートをしました(1王3:9)。しかし晩年は、妻たちにそそのかされ偶像を拝むようになり(1王11:7)、国民には重税を課しており(1王12:10)、とても弱っている者や貧しい者を 助けたとは言い難い政策を行っています。ソロモンの時代にはすべて純金で、銀は価値あるものとはされていませんでした(1王10:21)。そのような環境の中で、心が緩み、高慢になったとしても不思議ではありません。そして、神が高慢な心を喜ぶわけもなく、「彼の名はとこしえに続き(17)」は当然ソロモンのことではなく、イエス・キリストを思い描いているのだと思います。ダビデの69篇から続いた詩の中に多くのイエス様を見つけることができます。