ベニヤミンの存続

士師21;14「そのとき、ベニヤミンは引き返して来たので、ヤベシュ・ギルアデの女のうちから生かしておいた女たちを彼らに与えた。しかし、彼らには足りなかった」
ベニヤミンには自分たちの娘はやらん…ということですが、それでは同胞が消えてしまいます。ベニヤミンのならず者がとんでもない事件を引き起こしたのは許しがたいことですが、うまく話を治めることができません。それはリーダー不在で、生かすか殺すかの二者択一という単純なさばきしかできなかったからです。士師記の終わりに「めいめいが自分の目に正しいと見えることを行なっていた(25)」とあるように、主に伺い、主の御心を反映させる者たちがいなかったのです。やがて、ベニヤミン族からサウル王が出ますが、ヤベシュ・ギルアデがアモン人に襲われたとき、サウルは全力を注いで助けます(1サム11-12章)。士師記から話をつなげるなら、サウル王の母親の出身地がヤベシュ・ギルアデです。母親のためにも、王になりたてのサウルは必死で戦ったのだと思います。しかし、ベニヤミンの存続はイスラエルの勝手な判断で危うくなくなろうとしていました。イスラエルが王を求めたとき、自分たちが消そうとしたベニヤミン族からサウルが選ばれます。主の選びは皮肉でもあり、人の思いとははるかに離れているのです。