忘れさられゆくヨセフ

創41:45「パロはヨセフにツァフェナテ・パネアハという名を与え、オンの祭司ポティ・フェラの娘アセナテを彼の妻にした。こうしてヨセフはエジプトの地に知れ渡った」
ヨセフはツァフェナテ・パネアハという名前でエジプトに紹介されました。彼の妻は、太陽神オンの祭司ポティ・フェラの娘アセテナです。最も権威ある祭司の妻を持ち、エジプト全土の第2位の地位にある男が、ヘブライ人かどうかを知る人もいなかったでしょう。パロの紹介した総理大臣にはエジプトの名前があり、由緒ある出の妻がいるわけですから。なによりも13年の間に、ヨセフはエジプト語を完全にマスターしていました。彼が職務をこなすのに何の弊害もありませんでした。しかし、時代とともにヨセフの功績は忘れ去れていくのです。先代パロも亡くなり、ヨセフが何人でどこから来たかを知るものも減っていきます。聖書にはヨセフはエジプトだけでなく、世界中の飢饉に困る人々に食料を売ったことが書かれています。偉大な夢を解き明かすヨセフの思いとは裏腹に、ユダヤ人は奴隷になってしまうのです。