御子

詩2:12「御子に口づけせよ。主が怒り、おまえたちが道で滅びないために。怒りは、いまにも燃えようとしている。幸いなことよ。すべて主に身を避ける人は」
詩篇2には「わたしの子」が出てきます。我々はすぐにイエス様のことだと気付きますが、旧約の人たちには理解できなかったかも知れません。創世記には確かに神自らを「われわれ(創1:26)」と名乗り、複数だということがわかりますが、複数がどういう形態なのかは書かれていません。しかしこの詩篇の箇所により、神には子があり、全権が委ねられていることがわかります(8)。そして、やがて敵を倒し圧倒的な勝利を収めることが書かれています(9)。メシヤが神の子であろうと知っていたのは、大祭司や祭司たちです。それはここの箇所やイザヤ、ミカその他預言書からヒントを得ていたからです。大祭司たちがイエス様に「あなたは神の子か?」と尋ねた時、「わたしはそれです(ルカ22:70)」と答えました。大祭司が衣を引き裂くほど激怒したのは(マタ26:65,マコ14:63)、神の子=メシヤだと知っていたからです。神の子と名乗るは、神への冒涜であり、イエス様がメシヤであるはずがないという思い込みの結果です。しかし、この嫉妬と勘違いがなければイエス様は十字架にかからなかったのです。