地の果てまで

ロマ15:28「それで、私はこのことを済ませ、彼らにこの実を確かに渡してから、あなたがたのところを通ってイスパニヤに行くことにします」
ヨーロッパの人々はエジプトやエチオピアのようなアフリカの国々の存在は知っていても、アフリカがとてつもなく大きな大陸とは気づいていませんでした。また東側はトルコ近辺のアララト山を境にそれより東に巨大なユーラシア大陸があることを知りませんでした。パウロの時代のローマ帝国は北はドイツ、南はエジプト、東はサウジの砂漠、西はイベリア半島までと当時の世界最大の領土をもっていました。16世紀半ばまで、ヨーロッパは独自の発展を遂げ、自分たちの世界こそすべてだと錯覚していました。パウロの言う「イスパニア」は当時の世界の果てです。今でいうスペインにはまだ福音は伝わっていなかったのです。それでもスペイン、ポルトガルがあるイベリア半島は当時のローマ支配地で、ローマ市民であるパウロが行き来するには何の障害もなかったはずです。パウロは自分が行ける限りの土地を訪問し、福音を伝えていたことがわかります。やがて彼のスピリットは後世の宣教師に受け継がれ、世界中どこでもキリストの伝道師は派遣されました。最も難しいと言われた中国でさえ、聖書を運び込み伝道がされていました。現在では中国人口の1億人がクリスチャンだと言われています。パウロのスピリットは今でも生きているのです。