味もかおりも変わらない

エレ48:11「モアブは若い時から安らかであった。彼はぶどう酒のかすの上にじっとたまっていて、器から器へあけられたこともなく、捕囚として連れて行かれたこともなかった。それゆえ、その味はそのまま残り、かおりも変わらなかった」
主が語られたモアブのイメージです。「若い時から安らか」の安らかはヘブル語「shaan(シャアン)」で、ほかに「平和」とか「静か」という意味もあります。確かに国を占領されたり、他の国と併合した歴史はありませんが、イスラエルの隣国としてトラブルが耐えませんでした。有名なものはバラク王が預言者バラムを雇って、嘘の預言をさせようとした事件や(民22章)、エグロン王がエリコを攻めてイスラエルを支配したり(ヨシュ10章)、イスラエルのサウル王はモアブと戦い(1サム14章)、ダビデはモアブを制圧し、貢物を納めさせたとあります(2サム8章)。他にもソロモン以降2つの国に分かれた後もたびたびイスラエルとトラブルがありました。かたやモアブ人ルツがダビデの先祖として数えられたりしており、ユダ族にその血が流れているのも事実です。もともとアブラハムの甥ロトから生まれたモアブ民族は広い意味でのユダヤ人であり、主の選んだ民族の1つだといえます。彼らは同じ土地にとどまり、ケモシュという神を信仰し、良くも悪くも彼らの文化を続けてきました。味も香りも変わらないのは彼らの保守的な態度のことを指しているのだと思います。