三百デナリ以上に売れて

マコ14:5「「この香油なら、三百デナリ以上に売れて、貧しい人たちに施しができたのに。」そうして、その女をきびしく責めた」
ヨハネ福音書によるとこのことを言ったのはイスカリオテ・ユダだとあります(ヨハ12:4)。一般に12弟子には2人のヤコブと2人のユダと2人のシモンがいたとされていますが(ルカ6:14-16)、ヤコブの子ユダと区別するためイスカリオテ・ユダと呼ばれています。また、別の福音書ではもう1人のユダはタダイとされ(マタ10:3、マコ3:18)、区別の必要はありませんが、ユダはイスカリオテ・ユダと呼んでいます。「イスカリオテ」は「カリオテ」出身という意味があり、場所は不明ですがイスカリオテと言うだけでどこの出身かわかるほど有名な街だったことが推測されます。彼は高学歴だったようで、財務に長けていたためにイエス様の金入れを預かっていました(ヨハ12:6)。イエス様一行は決して無一文だった わけでなく、5000人の給食のときもピリポが「200デナリのパン」と発言しているので、それなりのまとまった金があり、ユダはそれを仕切っていました。しかし、金の集まるところにはいつも誘惑が付きもので、ユダも金を着服していたことが書かれています(ヨハ12:6)。ナルドの香油を売れ…というのもユダの着服の隠ぺい工作の一部だったのです。