愛は貸せない

ロマ13:8「だれに対しても、何の借りもあってはいけません。ただし、互いに愛し合うことについては別です。他の人を愛する者は、律法を完全に守っているのです」
「この前愛したから、その愛を返してください」ということはできません。恩を返すのとは違う感覚です。ここで使われている「愛」のギリシャ語はすべて「agape(アガペ)」で無条件に愛する神の愛を示しています。男女の愛なら愛した分、相手からも同じように愛を受けたいと考えるでしょう。パウロの言う「愛」は損得を伴う愛ではなさそうです。「愛してあげたじゃない」という恩着せがましい愛は「agape(アガペ)」の愛とは異なります。1コリント13章は言わずと知れた「愛」の章ですが、愛の説明の書き出し部分は「愛は寛容であり、愛は親切です(1コリ13:4)」から始まっています。聖書の中で最初に書かれていることは軽んじてはいけないと思います。「寛容」「親切」は御霊の実としてほかの書簡にも書かれています(ガラ5:22)。たとえ寛容であり、親切であっても自慢したり、高慢になるならパウロの愛の定義から外れてしまいます。さらに愛を相手に押し付けたり、強要するのもちょっと違う気がします。けっして貸し借りでなく、無条件に愛してくださったイエス様の愛に学び愛を実践できればと思います。