主はわたしに油をそそぎ

イザ61:1「神である主の霊が、わたしの上にある。主はわたしに油をそそぎ、貧しい者に良い知らせを伝え、心の傷ついた者をいやすために、わたしを遣わされた。捕らわれ人には解放を、囚人には釈放を告げ」
エス様がナザレで安息日に会堂に入られたとき、イザヤの書が手渡されました(ルカ4:16)。そのときにイエス様が朗読されたのがこの箇所になります。ルカでは「盲人には目の開かれることを告げるために(ルカ4:18)」という部分が追加されていますが、これはルカの使っている写本と日本語訳の写本の違いだと思われます。イエス様がイザヤを読み終われたとき「きょう、聖書のこのみことばが、あなたがたが聞いたとおり実現しました(ルカ4:21)」と言われ、周りの人を驚かせました。「主の霊がわたしの上に」と「主はわたしに油をそそぎ」という部分に関しては、まさしくメシヤのことを指しています。ルカの福音書では荒野で誘惑を受けたのち、この会堂での出来事が書かれており、多くの奇跡をおこなわれる前に、イザヤ書に書かれているメシヤ預言はイエス様ご自身が読み上げることにより完成したことを告げたのです。それはこれから宣教を開始する宣言したかのようでした。そして、唯一イエス様だけが、イザヤの預言を「実現した」と言えるお方だったのです。