真実のわが子

テト1:4「同じ信仰による真実のわが子テトスへ。父なる神および私たちの救い主なるキリスト・イエスから、恵みと平安がありますように」
もちろんテトスはパウロの実子ではありませんが、テモテ同様若くパウロとは年齢差があったことがうかがわれます。使徒の働きの中には彼の名前は登場しませんが、パウロの手紙の中で、テトスの存在が慰めとなり(2コリ7:6)、信仰に熱心で(2コリ8:16)、パウロ動労者だと評されています(2コリ8:23)。テトス自身はユダヤ人ではなく、ギリシャ人です(ガラ2:3)。テトスはクレタ人(クレテ)に遣わされて、そこで宣教して教会を立ち上げているようです。そのために割礼は必要なく(ガラ2:3)、そこはテモテと大きく違っているところです(使16:3)。しかし、クレテ人はユダヤ人ともギリシャ人とも違う文化、教育をもっており、テトスもかなり苦労している様子です。パウロは彼に町ごとに長老(リーダー)を定め 、テトス自身の負担を軽減しようとアドバイスしています(5)。テモテ同様1つの教会をまかされる、若いリーダーにも経験豊かな年配者の意見は必要なようです。パウロが「真実の子」と信頼を置くテトスには、本来ならパウロ自身が傍にいて指導すべきなのでしょうが、テトスはこの手紙で多くを学べたと思います。