落とし穴となった

士8:27「ギデオンはそれで、一つのエポデを作り、彼の町のオフラにそれを置いた。すると、イスラエルはみな、それを慕って、そこで淫行を行なった。それはギデオンとその一族にとって、落とし穴となった」
「落とし穴」は英語では「snare」、ヘブル語では「mowqesh(モケーシュ)」が使われており「わな」以外に「おとり」の意味も含まれています。今まで主に従ってきて、イスラエルの民がギデオンこそ子孫にわたりイスラエルを治めるのにふさわしいと訴えたのに対し(22)、「主があなたがたを治められます(23)」とさえ言ったのに、金を欲しがるのはがっかりです。その信仰とは裏腹に、肉欲の部分に関してはギデオンは弱かったのです。それはおおぜいの妻を持ち、70人の子供を もうけたことでもわかります(30)。別に男性が女性を求めることを否定するつもりはありませんが、金を欲しがることと好色は肉欲の代表的なものです。主に従う信仰に加え、肉の欲のコントロールも完璧ならば、ギデオンは王になれたかもしれません。しかし、この時代はまだイスラエルの民に本当に飢え渇いて指導者を求める気運はなかったのです。実際に士師たちによって、80年(3:30)、40年(3:11,5:31,8:28)という長い間平穏な時期がありました。民は士師が多少弱いところがあっても我慢できたのです。