ミカの親子関係

士17:3「彼が母にその銀千百枚を返したとき、母は言った。「私の手でその銀を聖別して主にささげ、わが子のために、それで彫像と鋳像を造りましょう。今は、それをあなたに返します」」
最初から違和感のある物語が書かれています。息子が母の銀を盗んだのを告白したのは、母の呪いの言葉を耳にしたからです(2)。息子の懲らしめを恐れて罪を告白したことは理解できます。しかし、母親の言動はちょっと理解に苦しみます。まず、祝福があるようにと言います(2)。盗まれた金額も1100枚だと書かれ、決して少なくない額です。なぜ息子を許し、祝福を与え、さらに銀を与えると言ったのかわかりません。律法では父母の言うことを聞かないものは石に打たれよ…とあります(申21:18-21)。ソロモンは「愚かさは子どもの心につながれている。懲らしめの杖がこれを断ち切る(箴22:15)」と語り、子どもを懲らしめることは必要だと説いています。パウロにいたっては「だれでも受ける懲らしめを受けていないとすれば、私生子であって、ほんとうの子ではないのです(ヘブ12:8)」とあり、本当の子なら懲らしめを受けるはずだと言っています。ミカの親子関係はマザコンとかそういうレベルでなく、聖書の考えから逸脱したものでとても普通の関係とは言えません。17章はこんな話から始まっているのです。