川は、声をあげ

詩93:3「主よ。川は、声をあげました。川は、叫び声をあげました。川は、とどろく声をあげています」
1節の「みいつ」はおそらく「御稜威(あるいは御厳)」のことだと思います。辞書では「厳(いつ)」を敬っていう語だと書かれています。「厳粛」の「厳」で「厳か(おごそか)」とも読みます。権威ある者の威厳のあるさまを現し、英語では「majesty」が使われています。ヘブル語では「geuwth(ゲウース)」という単語が用いられ、詩編イザヤ書だけに登場する言葉です。また3節の「川」はヘブル語の「nahar(ナハー)」で、「川」や「小川」を意味しますが、新共同訳では「潮」、口語訳では「大水」と訳されています。英語NIVは「seas」でKJVでは「floods」というように、どち らも複数形で書かれています。ヨハネは御霊と水と血を神のあかしだと語っていますが(1ヨハ5:8)、「あなたのあかしはまことに確かです(5)」とあるこの詩と同じようにヨハネも神のあかしを確かなものとしています(1ヨハ5:9)。水は神の威厳を知るための大切なヒントだと思います。つまりこの歌の作者は、神の威厳を知り、水を通してその威光を見、なおかつ神のあかしを確かなものにしたことを賛美しているのです。