娘さん

ルツ3:10「すると、ボアズは言った。「娘さん。主があなたを祝福されるように。あなたのあとからの真実は、先の真実にまさっています。あなたは貧しい者でも、富む者でも、若い男たちのあとを追わなかったからです」
ルツは自分を「はしため」だと名乗っています。「はしため」は聖書の独特の訳で「端女」と書きます。女の召使いや女奴隷、さらには夫を亡くした女もこう呼ばれていました(1サム28:22)。それに対しボアズは「娘さん」と応えています。この「娘」はヘブル語の「bath(バース)」が使われており、自分の子供を呼びかけるときに使うものです。それはルツが非常に若かったか、あるいはボアズが年を取っていたことが考えられます。「あとからの真実は、先の真実 にまさっています」は新共同訳では「今あなたが示した真心は、今までの真心よりまさっています」と訳されています。「あとから」のヘブル語「acharown(アハローン)」は時間を表す形容詞で、新共同訳のように「たった今」とも訳せます。すなわち、男の足もとに寝ることは妻になってもいい…というサインであり、それは女性にとってはとても勇気のいる逆プロポーズのような風習でした。それを感じ取ったボアズは、ルツが今までに一生懸命落穂ひろいをして働く様子を知っていたので、その働き以上に足もとで寝る信仰をほめたのだと思います。