この子を主にお渡しいたします

1サム1:28「「それで私もまた、この子を主にお渡しいたします。この子は一生涯、主に渡されたものです。」こうして彼らはそこで主を礼拝した」
日本のことわざに「子供は三歳までに一生分の親孝行をする」というものがありますが、ハンナがサムエルの最もかわいいときに手を離さなければならないのはとても辛いことだったと思います。それでも「この子が主の御顔を拝し、いつまでも、そこにとどまるようになるまでは(22)」と最大限の譲歩をして、心に堅く決心しているのがわかります。いざ、サムエルが乳を飲まなくなり、離乳食を食べる時期になったならハンナは迷わず、主のもとへサムエルを連れて行ったのです。おそらく2歳とかそういう年齢で、歩きはじめて間もな くのころだったと推測できます。子供はいつかは親を離れ、独り立ちし、自分の生活を送るようになります。ハンナは神に対して誓願を立てて、「男の子を授けてくださいますなら、私はその子の一生を主におささげします(11)」と主に告白しています。かわいいサムエルをもっと抱いていたい、世話をして、一緒に楽しみたい…母親ならば誰でも思い願うことです。しかし、ハンナの信仰はそのことば通りになり、いかにつらい試練であっても、主に捧げるという態度だったのです。