ああ、困ったことだ

1サム4:8「ああ、困ったことだ。だれがこの力ある神々の手から、われわれを救い出してくれよう。これらの神々は、荒野で、ありとあらゆる災害をもってエジプトを打った神々だ」
出エジプトはもう400年以上前の出来事です。にもかかわらず、ペリシテ人はそのことを覚えていました。それは近隣諸国にエジプトがどれだけひどい目にあったかが知れ渡っていた証拠です。イスラエル人もペリシテ人も契約の箱さえあれば…という考えを持っていました。イスラエル側としては「それがわれわれの真ん中に来て、われわれを敵の手から救おう(3)」と考え、ペリシテ側では、あのエジプトをえらい目にあわせた神の登場だと震えあがっているのです。イスラエルの長老の短絡的な考えも そうですが、神の箱に仕えていたエリも大きな失敗をしています。それは、「ホフニとピネハスも、神の契約の箱といっしょにそこに来た(4)」という記述からもわかるように、好き勝手するエリの息子たちを誰も止められない様子が伺われます。そもそも、「主のことばはまれにしかなく、幻も示されなかった(3:1)」ころに、どうして神が先頭に立って戦ってくれると思えたのでしょうか?それはペリシテ側にしても同じです。箱さえあればどうにかなる…という発想は神ご自身を卑しめる発想以外の何ものでもありません。