ユダのネゲブとか

1サム27:10「アキシュが、「きょうは、どこを襲ったのか」と尋ねると、ダビデはいつも、ユダのネゲブとか、エラフメエル人のネゲブとか、ケニ人のネゲブとか答えていた」
確かにユダネゲブとの境界にはユダ族の割り当て地がありました(ヨシュ15:1)。しかし、さらに南になると砂漠が広がり、エラフメエル人とかケニ人ぐらいしか住んでいませんでした。つまり、ネゲブはあまり他民族も欲しがらない荒地であり、もちろんペリシテも乗り気で攻め入るような土地ではなかったのです。ダビデが狡猾にも、その名前を使ったのはアキシュがあえて確かめに行くことのないことを知っていたからだと思います。なによりも、ダビデは家畜や着物を戦利品として持ち帰っており、とても さぼっていたようには見えませんでした(9)。アキシュといえば、ダビデがかつて気が狂ったふりをしたときの王です(21:10-14)。またダビデがやってきて、今度はサウル王に追われてペリシテに寝返ったという設定です(5)。アキシュは騙されやすいというか、単純というかあまり頭の切れるイメージではありません。ダビデにとっては好都合でしたが、他のペリシテの領主はそれほど甘くはありませんでした。イスラエルとペリシテの総力戦になったときは、ダビデは参加できなかったのです(29:6)。